長谷川嘉哉さんの原案を、矢部太郎さんが漫画化。
本の始まりは、物盗られ妄想の話。
知っていたら、義母にもっとやさしくできたのに、という方の言葉にはっとした、
主人公のお医者様のつぶやきから始まります。
認知症の症状の進行を書いた「ボケ日和」を、
矢部太郎さんがやさしいタッチのマンガを通じて、紹介していきます。
家族が認知症になる前に知っておいた方がいい事が、
エピソードを交えながら紹介されていて、
介護の現場では本当によくある話なのですが、
お医者さまのくちぶりも、まんがの表現も、ほっこりと心が温かくなる、
そんな描かれ方をしています。
施設にいれる=親不孝という思い込み
「親不孝介護」の山中浩之さんの本にもありましたが、
親を施設にいれる=親不孝と思う家族の躊躇があります。
この本でもその点に触れる件があります。
「入所させたら負担がゼロになると思っていませんか?施設に入っても、家族はまだ大変ですよ」
と家族に伝えることで、
家族のうしろめたさを解消させてあげる主人公のお医者様のやさしい伝え方に
おもわず
なるほど~
と声に出してしまいました。ネタバレになるのであまり書けませんが…。
ぐっときた一言
最後に、私の心にぐっときた主人公のお医者様の一言を紹介します。
認知症の人も不安。だから、
「情報という名の安心をどんどんプレゼントしてあげてください。」
家族が、もしや認知症?と思う方、遠いいつかのためにと思う方、そしてまさに今介護をされている方…。
ぐーっと引き込まれてあっという間に読めます。
帯の赤井さんの言葉もなるほど~と思います。
ぜひご一読ください。